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Brouwer's fixed-point theorem

ホモロジーゼミの中でブラウワーの不動点定理の証明が出てきました。特に円盤\(D^{2}\)上でのブラウワーの不動点定理は基本群を用いて簡便に証明ができることを学んだので備忘録としてまとめておきます。

ブラウワーの不動点定理

\(D^{2}\to D^{2}\)の任意の連続関数は不動点を持つ。

M1 MacでのPython環境構築(tensorflowとか)

Apple Siliconが搭載されたMacが手元に何台かあって、その上で色々と研究をしていたのですが、pythonの環境構築に結構手こずってしまいました。何度か試してうまく行ったものを備忘録として記しておきます。 (ここではpyenvを用いた環境構築について記しています。もちろん他にも良い方法はあると思います。) インストールに手こずることがあれば随時この記事に書き足していきたいと思います。

Kovacicのアルゴリズムを用いて調和振動子を解く

Kovacicのアルゴリズムは有利係数の2階線形常微分方程式を解くアルゴリズムです。与えられた微分方程式が解くことができる場合にはその解を出力し、解くことができない場合にはそうであることがわかるという非常に便利なアルゴリズムになっています。ここで言う"解ける"という言葉は微分ガロア理論の意味で用いられています。僕自身は微分ガロア理論には詳しくはないので細かいことはわかりませんが、細かいことがわからなくてもKovacicのアルゴリズムを使うことができるものになっています。

Egorov's theorem

Egorovの定理は関数列の概収束と概一様収束の関係を述べたものになります。

Egorovの定理

有限測度空間\((X,\mathcal{F},\mu)\)上の可測関数列\(f_{n}\colon X\to\mathbb{C}\)に対して、\(f_{n}\)が可測関数\(f\)に概収束するならば、\(f_{n}\)\(f\)に概一様収束する。

Uniform ratio distribution and pi

3月14日は円周率の日ということもあって次のツイートを見つけました。

この証明を行っていきます。

Gram行列の固有値の数値計算

カーネル関数\(k(\cdot,\cdot)\)が与えられたとき、データ点\(\{x_{i}\}_{i=1}^{n}\)に対するGram行列(グラム行列)は $$ K=\begin{pmatrix}k(x_{1},x_{1}) & \cdots & k(x_{1},x_{n})\\\vdots & \ddots & \vdots\\ k(x_{n},x_{1}) & \cdots & k(x_{n},x_{n})\end{pmatrix} $$ で与えられます。色々な場面に登場するのですが、RBFカーネルからガウス過程を生成する際にその固有値計算で詰まったところがあったのでかんたんにまとめておきます。

Laplacianの積分表現

領域\(\Omega\subset\mathbb{R}^{n}\)上で定義された関数\(u\in C^{2}(\Omega)\)についてLaplacian(ラプラシアン)は $$ \Delta u(x)=\sum_{i=1}^{n}\frac{\partial^{2}u}{\partial x_{i}^{2}}(x) $$ で表されます。このとき、\(\partial B(x,r)=\{y\in\mathbb{R}^{n}\mid |x-y|=r\}\)とおくと、 $$ \Delta u(x)=\lim_{r\to+0}\frac{2n}{r^{2}|\partial B(x,r)|}\int_{\partial B(x,r)}u(y)-u(x)d\sigma_{y} $$ が成り立ちます。\(d\sigma_{y}\)\(\partial B(x,r)\)上の面積要素です。 この表現を得るには\(u(y)\)\(x\)まわりでTaylor展開することが大事になるのですが、 その際、平均値の定理によって得られるTaylor展開だと剰余項の評価が難しくなります。 積分型のTaylor展開を用いることでこの問題を解決することができます。

Borwein integral

Borwein積分は\(\sin x/x\)に関する興味深い性質を持った積分のことです。 例えば $$ \int_{0}^{\infty}\frac{\sin x}{x}dx=\frac{\pi}{2} $$ となることはよく知られていますが、これに\(\sin(3x)/3x\)をかけたものについても $$ \int_{0}^{\infty}\frac{\sin x}{x}\frac{\sin (x/3)}{x/3}dx=\frac{\pi}{2} $$ が成り立ちます。同様のことは\(\sin (x/5)/(x/5)\)\(\sin(x/7)/(x/7)\)をかけていっても成り立ち、 $$ \int_{0}^{\infty}\frac{\sin x}{x}\frac{\sin (x/3)}{x/3}\cdots\frac{\sin (x/13)}{x/13}dx=\frac{\pi}{2} $$ となります。しかし、次のステップではこの計算は崩れて $$ \int_{0}^{\infty}\frac{\sin x}{x}\frac{\sin (x/3)}{x/3}\cdots\frac{\sin (x/15)}{x/15}dx=\frac{467807924713440738696537864469}{935615849440640907310521750000}\pi<\frac{\pi}{2} $$ となってしまいます。一見するとこの値も\(\pi/2\)になりそうなのですが、何故か値がずれてしまいます。 このような積分のことをBorwein積分とよび、いくつかの計算がなされています。