Skip to content

Uniform ratio distribution and pi

3月14日は円周率の日ということもあって次のツイートを見つけました。

この証明を行っていきます。

Uniform ratio distribution

\([0,1]\)区間の一様乱数\(X,Y\)に対して\(X/Y\)が取る分布はuniform ratio distributionという名前がついています。この分布は手で計算することができて、 $$ \begin{aligned} P_{X/Y}(u)\coloneqq& \int_{0}^{1}\int_{0}^{1}\delta\left(\frac{x}{y}-u\right)dxdy\\ =&\begin{cases} 1/2, & 0<u<1\\ 1/(2u^{2}), & u\geq1 \end{cases} \end{aligned} $$ となることが知られています。

参考: https://mathworld.wolfram.com/UniformRatioDistribution.html

Proof

  • \(0<u<1\) のとき、\(\delta\left(\frac{x}{y}-u\right)\)\(x\)の関数だと思うと、 $$ P_{X/Y}(u)=\int_{0}^{1}\int_{0}^{1}y\delta(x-uy)dxdy $$ になります。ある\(x\)\(x-uy=0\)となるのでとなるので、これを\(x\)で積分することで、 $$ P_{X/Y}(u)=\int_{0}^{1}ydy=\frac{1}{2} $$ が得られます。
  • \(u\geq1\)のとき、\(\delta\left(\frac{x}{y}-u\right)\)\(y\)の関数だと思うと、 $$ P_{X/Y}(u)=\int_{0}^{1}\int_{0}^{1}\frac{x}{u^{2}}\delta\left(y-\frac{x}{u}\right)dydx $$ になります。ある\(y\)\(y-x/u=0\)となるので、これを\(y\)で積分することで、 $$ P_{X/Y}(u)=\int_{0}^{1}\frac{x}{u^{2}}dx=\frac{1}{2u^{2}} $$ が得られます。

Calculating probability

求めたい確率は、\(X/Y\)に最も近い整数が偶数となる事象の確率です。 これは、\(X/Y\)の取りうる値が次の集合\(A\)に含まれれば良いことになります。 $$ A\coloneqq\left[0,\frac{1}{2}\right]\cup\bigcup_{n=1}^{\infty}\left[2n-\frac{1}{2},2n+\frac{1}{2}\right] $$ よって求める確率は、

\[ \begin{aligned}\int_{A}P_{X/Y}(u)du=& \int_{0}^{1/2}\frac{1}{2}du+\sum_{n=1}^{\infty}\int_{2n-1/2}^{2n+1/2}\frac{1}{2u^{2}}du \\ =&\frac{1}{4}+\sum_{n=1}^{\infty}\left(\frac{1}{4n-1}-\frac{1}{4n+1}\right) \\ =&\frac{1}{4}+\left(\frac{1}{3}-\frac{1}{5}+\frac{1}{7}-\frac{1}{9}+\cdots\right) \end{aligned} \]

となります。この無限和はライプニッツの公式を思い出すと、 $$ 1-\frac{1}{3}+\frac{1}{5}-\frac{1}{7}+\frac{1}{9}-\cdots=\frac{\pi}{4} $$ となので、これを代入すると、 $$ \int_{A}P_{X/Y}(u)du=\frac{1}{4}+1-\frac{\pi}{4}=\frac{5-\pi}{4} $$ と求まりました!!!